羊年生まれだから、と言うわけではございませんが、ウールをはじめとするテキスタイルに魅了され、この世界に50年近くどっぷり浸かってまいりました。
振り返って見ますと、テキスタイル産業は最近の「ファストファッション」という言葉に象徴されるように、工業化の歴史を歩んでまいりましたし、今後もこの方向性は加速していくと思われます。
ただ、日本国民全員が365日ファストファッションブランドを着る、というのも、なんだかおもしろみに欠けると、勝手に思っております。
“今日は少し違うものが着たい”
そう感じられたお客様へ、私どもが何世代も受け継いできた“手仕事のぬくもりがあるテキスタイル”を確実に御届けできるよう、これからも日々努力を続けていくつもりでございます。
テキスタイル産業に限らず、進化を続けるには若い力が必要です。
もちろん、私どもの特長は「100年を超える伝統の技術」であると自負しておりますが、やはりそれを活用するのは、これからの時代を生きる若い才能だと信じております。
今後、採用や教育により一層力を入れると共に、若いメンバーの自発性を活かした経営を進めていきたいと考えています。
私が社長に就任したのは28歳の時でございますが、先々代社長が昭和16年に実質的な創業を行ったのは27歳の時でした。
当時とは繊維業界の環境は全く異なりますが、多くのお客様・取引先様とのコミュニケーションや社員との対話をもとに、新たに創業する気持ちで専心社業の発展に挑みたいと考えています。
創業の原動力となる「変化」を起こすのに、年齢の老若は関係ないと思っています。
必要なのは新しいチャレンジに向かって変わろうとする意志であり、決してあきらめないことだと考えています。
これまで培ってきた当社の伝統や技術を活かしつつ、世代を超え、国境を越えて世界へと、常に新しい付加価値を提供できる会社を目指します。